息子には唯一無二の愛猫がいた。

名前はピイ太郎。

野暮でずる賢くて諦めない性質で、で、愛くるしいピイ太郎。

息子が高校3年生の時でピイ太郎が18歳の時に、東大に合格したら息子と離れる、息子の受験の障害にはなりたくない、そんな時期を選んだように永眠した。でもね、息子を強く思うピイ太郎さ、その時期はちょっとフライングしてた。ピイ太郎が考えていた現役としても、さらに翌年の一浪としても、ピイ太郎が愛してやまない息子はね、東大に東京に行くことはなかったんだよ。

ピイ太郎は、息子を迎えるために生まれたかったような猫だった。

ピイ太郎は息子を迎えたかった。先に来て息子を待っていた。ピイ太郎が私に見つかってほどなく息子がお腹に宿った。ピイ太郎は愛おしい息子が産まれるその場所に生まれ落ちたかった。息子が産まれてから、どんな事をしても息子の傍にいたかったピイ太郎は、この世に降臨する意味さえ息子だったんだと思える数々の事柄がある。あるんだ。

ねぇピイ太郎、私はまた生まれ変わったピイ太郎に会いたいよ。会いたいよピイ太郎。でも君は、息子のところへ生まれ変わるんでしょ?それ程の息子とピイ太郎の絆を、思いを、感じる。そんなのって、ある。信じなくてもいい。本当にある。だって、私にもあるから分かるんだ。

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