2020年春に大学受験をする息子は、地方都市の進学校に通っている。
中学受験をして合格したこの学校を、息子はとても気に入っていて、
それが、難しいとされる思春期を穏やかに過ごしている原因だと思う。
とても有難い。
息子は幼い頃から利発とは縁が遠い子で、
言葉もかなり遅く小学校に入学しても尚、
言葉が出拙く、まともに喋れなかった。
それでも、母親の私から見たら、
言葉を覚えるよりも感じることに重点を置いているように感じた、
敢えて言葉を覚えさせる必要はないと思えた。
町の風景、景色、動物たち、電車、自動車、マンホール、
目に映る肌に感じる感覚を面白がって興味をもって、
楽しんでいるようだった。
他にも、同じ年頃の幼い子供たちとはあまり遊ぼうとせず、
友達と一緒にボールを追いかけるなんて微笑ましい遊びも、
息子は興味がわかないらしく、
頬を膨らませながら立ち尽くし参加しようとはしなかった。
母親としては、同年代のお友達と遊んで欲しくてヒヤヒヤと
したけれど、それでも、息子はなにか強い意志をもっているかのように
自分の心のままにしたいようだった。
早生れで、人からなめられやすい子供だった息子は、
今とても生き生きと毎日を過ごしている。
保健師の方から、
幼児の頃より何度も言葉の遅さを問う電話がかかってきたのに。
~ アインシュタインも6歳までまともに話せなかった。
もしかしたら私たちの息子は優秀なのかもしれない ~
その言葉を合言葉にして、息子の言葉の遅さに焦ることもなく
見守れたのは良かったと思う。
言葉の遅さは親にとって心配になることだけれど、
もしかしたらその子供は、言葉よりも感性を優先しているのかもしれない。
少なくとも、息子の場合はそうでした。
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